ロックンロールという言葉を、ずっと分からないまま使っている

洋酒のボトルが並んだバーのカウンター
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意味を調べたら負けのような気がして、ずっと調べていない。

1

大学を出て大阪に就職した。THE ROAM TOWN BANDというバンドのギターに入れてもらった。二回りほど年上の人たちだった。リーダーとドラムの人には本当によくしてもらった。

難波から北新地、いろんなところに連れて行ってもらった。北新地のバーでギターを弾かせてもらったりもした。ドラムの人はそれを見て、呆れたような顔で笑っていた。酒場に楽器が置いてあって、その場にいる人がそのまま演奏を始めるような感じだった。誰が弾くとも決まっていない。自分にとってはパーカーとディジーみたいな感じだった。

とにかくよく飲む人たちだった。音楽もそこで教えてもらった。ストーンズ、ジミヘン、クラプトン、ツェッペリン。そこから聴き始めて、古い音楽をコピーしたのもこの辺りだ。

ことあるごとにリーダーはロックンロールと言っていた。かっこいい人で、みんなに慕われていた。何がロックンロールなのかは分からないが、ロックンロールと言っておけばいいみたいな感じがあった。あんな風になりたかった。

2

そのあと、いろいろ生活が立ち行かなくなってしまった。

首から下がうまく言うことを聞かない。座っていられる時間が短い。手術を重ねても良くならない。文字を追うと目がついてこない。数字にならないものは、無いことになる。

天井を見ている時間が長かった。電話は鳴らないし、鳴っても出なかった。

何がロックンロールなのかは相変わらず分からないままだったし、ロックンロールという気にもなれなかった。

3

身体が良くなる方法を探しているなかで、Xでうりなみさんという人に出会った。時代の先端をいきながら、オールディーズな姿勢も拒まない人だった。Ableton Liveのいろはも、DTMの使い方も、全部教えてもらった。大阪の人たちに続く、第二の師匠みたいな人だ。

それから、身体は痛いけど、明日は教えてもらったこれを試してみようとか、音楽にこういう要素を入れてみようとか、これがいるならあれがいるとか、そういうふうになった。起きながら本を読むのは辛いから、寝ながら読める音楽理論の本を読んでみようとか。

明日、生活を続けていくだけの理由を、少しずつ蒔くようにした。

排水溝の受け皿を銅にした。今は光っている。緑がかってくるらしい。明日も掃除をする。楽しみではない。嫌でもない。それだけで、明日が少し置かれた。

もともと作曲はしていたけど、ミックス含めてすべてを自分で仕上げることはなかった。でもなんかできるかもしれない、明日からできるかもしれないンゴ、という日が増えてきた。

4

ロックはしてるけどロールはしてない、というキース・リチャーズの言葉がある。出典を探したけど見つからなかった。まあ言ってなくても、言いそうではある。

ロックは一発叩いて終わり。ロールは次を呼ぶ。

バーン、で終わらずに、ずんずんずんと続いていく。それだけのことだと思う。

シンプルなのがいい。それで熱くなれたら最高だ。

5

ギターは手術後の疼痛で弾けない。ジストニアも残っている。打ち込みならできる。

社会から隔絶されたような状態のなかで、そもそも曲を作ったとて何になるんよ、という状況のなかで、打ち込み続けた。

それで、これができた。

6

最後を、ゆすり、ゆらし、転がりつづけよ、にした。

命令じゃない。自分に言い聞かせている。でも同時に、誰かへの呼びかけでもある。

生活を続けるというのは、たぶんそういうことだ。

これからも雰囲気で使っていく。

ロックンロール。

260927ベースマン結婚おめでとう!

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この記事を書いた人

作編曲家/電気主任技術者

YNU ☉⁠➛ 太陽光 †⁠➛ 学校 ⏚⁠➛ 半導体 ∴⁠➛ 独立

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