アメ村top the guitar

楽器屋の店内でテレキャスターを構えたところ
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今回は病気の話ではなく、楽器の話。自分が日本一だと思っている楽器屋の話です。たまたまXでA氏(あとで説明する)の姿を見かけて、つい懐かしくなってしまった。

目次

心斎橋アメ村の謎の楽器屋

大学を一年遅れで出て、電機メーカーに入って大阪配属になった。仕事の外では音楽をやりたかったので、関東の実家からギターを持っていった。確かフェンダーUSAの、ボールナットのジェフ・ベック仕様だったと記憶している。そのソフトケースが壊れたので、代わりを探しに心斎橋に出かけた。

ストラトキャスター

心斎橋 三角公園

土地勘はまったくなかったけど、事前に調べたら、YとかRとかSとか有名な楽器屋が集まっているらしい。とりあえず向かった。

三角公園で煙草を吸っていると、妙な看板が目についた。雑居ビルの階段の近くに「なんとかギター」と書いてある。とにかくボロボロで、かなり怪しい。

ただ、得体の知れないものに引っぱられて、その階段を上がっていった。

店の中

おそるおそる入ると、ヤニで茶色くなった店内に楽器がところせましと並んでいて、見慣れないスピーカーがあって、奥ではリペアの人が作業をしていた。手前では五十代後半くらい(実際はもう少し上だった)の男性が、煙草を吸いながら、二、三人の客に大声で何かを説明していた。

「ギターのケースを探しに……」まで言ったところで、その男性(以下A氏)に「君もこっちにきなさい」と言われ、半ば強引に話を聞くことになった。

自分は変な人が好きだ。A氏も世間の感覚からすれば十分に変で、異常にパワーのある人だったけど、言葉のイントネーションに妙な説得力があった。

うどんの話

最初に、手書きの説明用紙を数枚渡された。内容はもう全く覚えていない。

それから聞かれた。「君はカレーうどんと味噌うどんと醤油うどんのどれが好きなんや」。答える間もなく、「いいか、君がどれが好きだろうと構わん。うどんでいったら、麺がとびきりに良くないとあかん」。

うどん屋に来てしまったのかと朦朧としていたら、たとえ話だと気づいた。ギブソンだろうがストラトだろうがテレキャスだろうが、まず根本的によく鳴る楽器じゃないと、スタート地点にすら立てないということらしい。

実際、数十万円の予算で、自分の耳だけを頼りにいい楽器に辿り着くのはかなり難しい。

話を聞いていくと、この店では、大御所メーカーの数百万円クラスと同じくらいの音の楽器を、三十万から四十万円くらいで、日本の工房にオーダーで作ってもらえるらしい。

そこから、いい音とは何か、いい楽器とは何か、よく鳴る弾き方はどんなものか、いろいろ教えてもらった。

後日、例のストラトを持っていったらボロカスに言われて、「これはあんたの初恋にしなさい」と言われた。

最初のオーダーギター

それからは毎週のように通った。とにかく煙草を吸う店なので、そこにいるあいだだけでアメスピが一箱なくなった。(ちなみに夜は、会社の先輩の命令でひっかけ橋でナンパをさせられていた。いま思えば、あれはパワハラだと思う。)

話していくうちに、自分は音域が広くて、太いトーンのギターが欲しいのだとわかってきた。

最初にオーダーしたのは、オールローズでハカランダ指板のテレキャスター。見た目はジョージ・ハリスンっぽいやつ。下は、出来上がって四年くらい弾き込んだあとの写真です。プリンスをカバーしたときの動画も載せておく。

テレキャスター ハカランダ指板

三か月後に出来上がったそのギターを見て、一発で気に入った。いまもずっと好き。BASS ON TOPに直行してマーシャルで鳴らしたら、バズーカみたいな音がして、ぶっ倒れるかと思った。

それでバンドもやったし、セッションにも行ったし、たくさん飲んだ。

まぎれもなく、第二の青春だった。

その後もA氏とは仲良くさせてもらっていて、数年後に関東に転勤してからも、こっちに来るときは連絡をくれて、飲みに行ったりした。前置きなしにすごい人を呼んでくるので、びっくりすることもあった。

有名なミュージシャンもよく来ていた

通っていた頃は、けっこう有名なミュージシャンを見かけた。Kacikaの堀さん(めちゃくちゃ優しかった)、セカイイチのメンバー、8ottoのセイエイさんなど。あとで知ったけど、韻シストのShyoudogさん、lostageの五味さん、クラムボンのmitoさんも来ているらしい。

店の名前

TOP THE GUITAR GENTLY(トップ・ザ・ギター・ジェントリー)

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