許容電流をどう決めるか

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許容電流は、内線規程や電工手帳の表の値をパッと入れるだけではないので混乱する。

まず、太陽光ならパワコンからブレーカーを決める。それより許容電流の大きいケーブルを選ぶ。ケーブルが燃える前に、ブレーカーで止めるため。

表の数字は、条件に合わせて補正する。並べるなら、その分下げる。起きない条件は見ない。

目次

許容電流を決めるのは、周囲温度と放熱性

表がたくさんあって数字がバラバラに見えるのは、表ごとにこの2つの前提が違うから。

出典:内線規程 JEAC8001-2005 資料1-3-3「8. 算出基準及び計算条件」より抜粋

まず周囲温度。表では「基底温度」と書いてある。許容電流を計算するときの基準にした周囲温度で、気中と暗きょは40℃、直埋と管路は25℃。

ケーブル自体が耐えられる温度は「導体許容最高温度」。ビニルケーブル(VVなど)は60℃、架橋ポリエチレンケーブル(CV・CVTなど)は90℃。

次に放熱性。CVTの許容電流の表の、列の見出しを見る。

出典:内線規程 JEAC8001-2005 資料1-3-3「3. 600V架橋ポリエチレン絶縁ビニル外装ケーブルの許容電流値(単心2個より、単心3個より)」より抜粋

青の枠「空中、暗きょ布設」「直接埋設布設」「管路引入れ布設」は、熱をどこへ逃がすか。緑の枠「1条布設」「2孔1条布設」は、どう並べるか。

直埋と管路は、どちらも基準25℃。それでも赤の枠のCVT 38sqで、直埋は180A、管路は145A。温度が同じでも、熱の逃げやすさが違えば、流せる電流が変わる。

表の許容電流は、この周囲温度と放熱性の条件で計算した結果。

表を選んで、違うところを補正する

使う場所の条件にいちばん近い表を選ぶ。表と違う条件を補正する。

周囲温度の補正は、「基底温度による電流補正係数」の表を使う。

出典:内線規程 JEAC8001-2005 資料1-3-3「9. 基底温度による電流補正係数」より抜粋

灰色の枠で、ケーブルの列を選ぶ。CV・CVTは90℃。
青の枠で、使った表の基準温度を選ぶ。CVTの許容電流の表の空中欄なら40℃。
橙の行で、実際の周囲温度を選ぶ。45℃なら、赤の枠の0.95。

IVなどの絶縁電線を電線管に入れるときは、本数で下げる。「1340-2表(その2)電流減少係数」を使う。

出典:内線規程 JEAC8001-2005 1340-2表(その2)より抜粋

赤の枠のとおり、同じ管に3本までなら0.70。中性線、接地線、制御回路用の電線は本数に数えない。

CVを電線管に入れるときは、「CVを電線管に入れたときの表」を見る。管に入れた状態の値なので、0.70はかけない。

起きない条件は見ない。

空中に並べたとき

CVTの空中・暗きょの値は、1条で置いた場合。2条以上並べるなら、並べ方と間隔で下げる。

出典:日本電線工業会規格 JCS 0168 の気中多条布設の低減率より

まず段を決めて下に見ていき、列の合う行で右へ。2段2列にくっつけて並べるなら、S=dの欄で0.70。

配管を並べたとき

下の表は、1本の管に1条ずつ入れて、管を並べたときの値。隣の管のケーブルの熱で周りの土が温まるので、管の数が増えると値が下がる。

出典:矢崎エナジーシステム「管路布設 連続許容電流 600V-CVD/T」より

管を4本、田の字に埋めて、4本ともCVTを入れるなら「4孔4条」。14sqなら赤の枠の67A。並べた分はもう表に入っている。表の布設条件と同じなら、補正するのは周囲温度が違うとき。

1本の配管に複数条入れるとき

1本の管にCVTを複数条入れたときの値は、表にない。メーカーに布設条件を伝えて、計算してもらう。

0.5という数字

盤内のIV・KIVは、表の値に0.5をかけておけばいいと先輩に教えてもらった。これも同じ考え方でできている。

0.5は、2つの係数をかけたもの。

温度:30℃基準の表を、盤内の40℃に直す係数が0.816。1340-3表の式 √((60−40)÷30) で出る。

束ね:先輩からは、ダクトに束ねると0.6と教わった。規格の値ではない。

0.816 × 0.6 = 0.4896、約0.5。周囲温度と放熱性を、先にかけておいた数字になる。

規格の係数ではなく、盤内の条件をまとめた目安。CVTを気中のラックに並べるときに、0.5をかける理由はない。

50kWのパワコンで考える

SG49K5Jの出力電流は最大80A。取扱説明書にあるブレーカーは120A。ケーブルは、補正後の許容電流が120A以上になるものを選ぶ。

CVT 38sqなら、CVTの許容電流の表で、空中155A、直埋180A、管路145A。周囲温度が表の基準どおりで、1条なら、どれも120Aを上回る。

電線管に入れるなら、「CVを電線管に入れたときの表」を見る。

出典:内線規程 JEAC8001-2005 資料1-3-3「7. CVケーブルを電線管などに収めた場合の許容電流値(一例)」より抜粋

青の枠「CV単心3個より」の列がCVT。38sqは赤の枠の110A。120Aに届かないので、電線管なら太くする。同じ列で1サイズ上の60sqは150A。

まとめ

太陽光なら、パワコンの電流とブレーカーを確認して、ブレーカーより許容電流の大きいケーブルを選ぶ。

許容電流は、表を見る。条件が違えば補正する。起きない条件は見ない。

同じケーブルでも表の数字が違うのは、周囲温度と放熱性が違うから。

出典

画像は中国の味わい深い電線です。

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この記事を書いた人

作編曲家/電気主任技術者

YNU ☉⁠➛ 太陽光 †⁠➛ 学校 ⏚⁠➛ 半導体 ∴⁠➛ 独立

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