地中の管路とハンドホールをどう決めるか

この記事を読むのにかかる時間:約 2 分

太陽光発電所の構内で、埋設配管とハンドホールの図面を描いているので、自分のための備忘録としてまとめます。

根拠は末尾にまとめています。

目次

1. 地中に埋めるとき

深さ

埋め方・条件深さ
直接埋設(車両などの重さがかかる場所)1.2m以上
直接埋設(そのほかの場所)0.6m以上
管路(自分の敷地の中で、管径200mm以下の2400-1表の管を使う)0.3m以上(地表面から。舗装があるときは舗装の下面から)
道路の下道路法施行令と道路管理者の基準による
出典:内線規程 2400-2図、2400-1図より抜粋

道路の下の深さは、道路占用の記事にまとめました。

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管どうしの距離

出典:内線規程・電技解釈をもとに作図
出典:内線規程 2400-7、2400-8より抜粋

同じ種類のFEPどうしの間隔は、メーカーのカタログで5〜10cmが施工標準とされています。

電技解釈 第125条は、事故時のアーク放電で隣の電線を傷めないための決まりです。同じ電圧種別どうしの離隔は定めていません。実際の間隔は、電線どうしの離隔と、管や接続部品に必要な寸法をそれぞれ確かめて決めます。

離隔は本来電線どうしで測るものですが、管どうしの間隔で表している資料が多いです。

例)FEP80を低圧どうしで並べ、FOKC-80を使うとき
管のカタログ:外径102mm+離隔70mm=芯々172mm
防水の部品(古河 FOKC-80):芯々175mm以上
→ 必要な芯々間隔は175mm以上

管口に付けるベルマウスは管より太いので、管を並べる間隔は製品の寸法で確かめます。

2. 管の曲げ

管は、内径の6倍以上で曲げます。管の曲げ半径とケーブルの曲げ半径は、それぞれ確かめます。地中のFEPでは、通すケーブルの許容曲げ半径を満たすように曲げます。

FEPを何本か並べて曲げるときの、平面図での描き方は前の記事にまとめました。

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3. ハンドホール

なぜ置くか

ハンドホールがないと、あとでケーブルを引き換えられません。最悪の場合、埋めた管を掘り起こすことになります。

どこに置くか

ハンドホールを置くのは、ケーブルの引入れ・引抜きや分岐・接続をする場所と、ケーブルを引く力が許容値を超える場所です。

図面では、まっすぐな管路で50m以下を目安に置いています。ただし、太陽光発電所では、JPEAなどがまとめたガイドラインに、地震や地盤沈下に耐えるよう、目安として延長が30mを超えるごとに設けるのが望ましいとあります。どちらに合わせるかは、案件ごとに確かめます。

規定ではありませんが、私の図面では、管を地上に立ち上げる場所と、あとで重機が入れる場所に置いています。

大きさと種類

大きさは、中でケーブルを許容曲げ半径以上で曲げられるものにします。

中でケーブルをU字に折り返すなら、向かい合う面の間に、曲げ半径の2倍とケーブルの太さ2本ぶんが要ります。

コンクリート製と樹脂製があります。樹脂製は軽いので、運搬が難しい場所や、上に大きな荷重がかからない場所に向きます。

並べて置くとき

横に並べるときの間隔に、決まりはありません。あいだを機械で転圧できないと、そこだけあとから土が沈みます。500mmほどあけるのが、現場での目安です。

管をまとめるとき

細い管を何本か、ハンドホールで太いFEPにまとめることもできます。ただ、1本の管に入れる本数が増えるほど、許容電流は下がります。管が太いほど曲げ半径も大きくなるので、基礎の中で曲げられないことがあります。また、あとから1回路だけ入れ替えるのは、ほぼできません。

管の入口は一列が基本で、曲げに要る大きさがあっても横に並びきらないときは二段にします。

もし管路の掘削を深く取れるなら、3段にすることもあります。

300角や600角のように人が入れない小さな幅のハンドホールを深くして多段にすることは、基本しません。

ハンドホールの中を上下2段で使うやり方は、道路占用の記事の追記にまとめました。

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4. 寒い地域で埋めるとき

寒い地域では、管を凍結深度より下に埋めます。

凍結深度は、冬に地面が凍る深さです。水は凍ると体積が約9%ふえ、土ごと持ち上がります。凍る層に管があると、管が浮いたり沈んだりして、ハンドホールとのつなぎ目が外れることがあります。

現場の凍結深度を自治体に確かめ、上の表の深さと比べて深いほうに合わせます。

まとめ

決めること数字根拠
直接埋設の深さ1.2m以上(車両などの重さがかかる場所)、0.6m以上(そのほか)2400-2表
敷地の中の管路の深さ0.3m以上(地表面から。舗装があるときは舗装の下面から。管径200mm以下の2400-1表の管)2400-1
寒い地域の深さ凍結深度より下現場の自治体の決まり
地中の低圧と高圧15cm以上2400-8、電技解釈第125条
地中の電線と弱電流電線30cm以上(特別高圧は60cm以上)2400-7、電技解釈第125条
地中のFEPどうし5〜10cm(参照したメーカーの施工標準)メーカーのカタログ
管を曲げる内側の半径が管の内径の6倍以上(高圧の単心ケーブルは別に確かめる)3110-8、公共建築工事標準仕様書 表2.10.1
地中のハンドホールまっすぐな管路で50mを目安図面での目安
太陽光発電所の地中のハンドホール目安として延長30mを超えるごとに設けるのが望ましいJPEAほか「地上設置型太陽光発電システムの設計・施工ガイドライン」14.4.2

出典

  • 内線規程 JEAC8001-2005:3110-8、2400-1、2400-1表、2400-1図、2400-2表、2400-2図、2400-7、2400-8
  • 電気設備の技術基準の解釈:第125条
  • 電気設備の技術基準の解釈の解説(経済産業省):第125条
  • 電線ケーブル用 樹脂製管路材 2026-2027(古河電気工業)41ページ:エフレックスの布設間隔
  • JIS C 3653:2004 電力用ケーブルの地中埋設の施工方法:4.2 管路、4.3 地中箱
  • 地上設置型太陽光発電システムの設計・施工ガイドライン 2025年版(NEDO、執筆:太陽光発電協会(JPEA)ほか):14.4.2 配管、配線、接続
  • 公共建築工事標準仕様書(電気設備工事編)令和7年版(国土交通省):2.2.3、表2.10.1
  • 波付硬質合成樹脂管(FEP)のカタログ(未来工業):曲げ半径
  • 凍結深度とは|土壌内の凍結による埋設配管への悪影響(electric-facilities.jp)
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この記事を書いた人

作編曲家/電気主任技術者

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