接地線の太さの記事で、B種は単独にする、と書きました。
理由は「漏電した電流が大地を通らず、変圧器に直接戻る」とだけ書いて、何が困るのかまでは書けていませんでした。
B種とD種を線でつないだ(連接した)ときに何が起きるかを、自分のための備忘録として図にまとめます。根拠は末尾にまとめています。
1. B種とD種の役割
| 種別 | 取る場所 | 役割 |
|---|---|---|
| B種 | 変圧器の低圧側の中性点 | 高圧と低圧が混触したとき、低圧側の電位が上がるのを抑える。漏電遮断器を確実に動かす |
| D種 | 300V以下の機器の外箱 | 漏電したとき、外箱の電位が上がるのをおさえ、感電の危険を減らす。原則100Ω以下 |
出典:電気設備の技術基準の解釈 第17条、パナソニック「B種接地」
2. 図

図の抵抗と電流は、説明のために置いた仮の値です。接地抵抗は、土と接地棒の打ち方で数Ωから数百Ωまで変わります。
B種とD種を一つの接地極で共用した場合も、線でつながっているので、起きることは連接と同じです。違うのは接地極の数だけです。
3. 低圧の機器で漏電したとき
B種とD種が別々なら、漏電した電流はD種の接地極から大地を通り、B種の接地極から変圧器へ戻ります。
通り道に接地抵抗があるので、電流はおさえられます。D種50Ω、B種10Ωなら、100V÷60Ωで約1.7Aです。
B種とD種をつなぐと、電流のほとんどは、つないだ接地線を通って変圧器へ戻ります。
接地線の抵抗は小さいので、電流は大きくなります。5.5sqの線で行き帰り60mなら約0.2Ωで、100V÷0.2Ωで約500Aです。実際は変圧器の抵抗も加わるので、これより小さくなります。
接地極と大地のほうにも流れますが、同じ計算で約0.8Aだけです。電流は、抵抗の小さい道に多く流れます。
遮断されるまでのあいだ、外箱に電圧がかかり、線も熱をもちます。
4. 高圧と低圧が混触したとき
混触は、変圧器の中の絶縁が雷や劣化で壊れ、高圧の巻線と低圧の巻線がつながることです。
混触すると、高圧の電流が低圧側に入り、B種の接地極から大地へ流れます。
接地抵抗に電流が流れると、流れた分だけ接地極の電圧が上がります。これが「電位が上がる」です。
B種とD種をつないでいると、電流は両方の接地極へ流れます。10Ωと50Ωの並列で約8.3Ωなので、10A流れれば約83Vです(接地極どうしの影響は考えていません)。
つないだD種の外箱も、同じように電圧が上がります。外箱に触った人には、外箱と足もとの地面との電圧の差がかかり、電流が流れます。
まとめ
わかっていなかったのは二つでした。
- B種とD種をつなぐと、漏電の電流は大地ではなく接地線を通るので、大きな電流になる
- 混触でB種の電圧が上がると、つないだD種の外箱も一緒に上がる
接地線の太さの記事も下に貼っておきます。
https://hakuchudodo.com/solar-grounding-design/
出典
- 電気設備の技術基準の解釈 第17条(経済産業省)
- パナソニック「B種接地」
- 目指せ!電気主任技術者「配電線の高低圧混触」
