国交省の道路の下に、電力の管を埋めることになりました。道路占用の図面をまとめておきます。窓口は自治体でした。
大枠はわかるけれど、どこまでが条文の定めで、どこからが現場の判断なのかが曖昧だったので、自分のための備忘録として書きます。
根拠は末尾にまとめています。
1. 何を出すか
出すのは申請書と図面です。あて先は道路管理者です。
申請書の欄はこれだけです。
- 占用の目的
- 占用の場所(路線名/場所/車道・歩道・その他)
- 占用物件(名称/規模/数量)
- 占用の期間、工事の期間
- 占用物件の構造、工事実施の方法
- 道路の復旧方法
- 添付書類
- 備考
図面の枚数も種類も、様式には書かれていません。記載要領にはこうあります。
「添付書類」の欄には、道路占用の場所、物件の構造等を明らかにした図面その他必要な書類を添付した場合に、その書類名を記載すること。
要求は二つです。占用の場所と、物件の構造。それが伝わるなら一枚でもいいし、伝わらないなら足す。
- 場所を明らかにするもの … 位置図、公図写し、平面図
- 構造を明らかにするもの … 断面図、構造図、配管の内訳
申請先が中身まで示している場合
申請先によっては、図面の種類と中身を示しています。例えば国交省の北陸地方整備局は、申請書の作成上の注意点でこう書いています。
| 位置図 | 申請箇所の位置を示す |
| 平面図 | 地下埋設物は縮尺1/500〜1/1000 |
| 断面図 | 地下埋設物の場合は必ず作成 |
| 構造図 | 管種や材質を示す場合に作成 |
申請先によって違うので、要領を確認して、書いていないことは聞きます。
今回はどの図面に、どう収めたか
今回の自治体では、カルバートの上の路盤厚とアスファルト厚がわかる図面が要るかを確認したところ、作らなくてよいという回答でした。
それでA3二枚です。
| 図面 | 載せたもの | 申請書のどの欄にあたるか |
| 公図連続図 A3 | 航空写真に公図を重ねたもの | 占用の場所 |
| 配管詳細図 A3 | 航空写真にルートを書いたもの 掘削区間の平面図 道路埋設部の断面図 埋設配管内訳の表 | 占用物件(名称・規模・数量) 占用物件の構造 工事実施の方法 |
公図は一枚では収まりません。ルートがいくつもの土地にまたがるので、隣り合う公図をつないで一枚にします。これを連続図といいます。航空写真を背景にして、その上に土地の境界線と地番を重ねる。あわせて、地番ごとの地目と面積、どこが公道かも入れました。
配管詳細図のほうは、ルートを書いた航空写真に破線で枠を入れて、その枠の中を拡大図にしています。拡大図が何面になるかは区間の切れ方しだいです。
「占用の場所」と「物件の構造」が伝われば要件を満たすので、図面を種類ごとに分ける必要はありません。一枚に入るなら入れる。
添付書類の欄には、この二枚の図面名を書きます。
2. 図面に入れる寸法
占用申請で聞かれるのは距離です。今回の図面に入れたのはこれです。
- 道路幅
- 掘削幅(1,000)
- 埋設深さ(舗装下面から800)
- 道路端から掘削面までの距離
- 既設物からの距離(電柱、カルバート)
- ハンドホールの大きさ(□1,200、深さ1,500)とハンドホール間の距離
- FEPのサイズと本数
- 曲げ半径(6D以上)
追記:道路管理者から追加で求められた項目
提出前の確認で、次の5つを図に足すよう言われました。
- 管路長:敷地境界から、H.Hを通って、反対側の敷地境界までの長さ
- 占用面積:掘削幅×管路長
- H.H間の距離:ハンドホールどうしの距離
- 敷地境界からH.Hまでの距離
- 道路の地番と境界:占用する道路の地番と、その境界線
気をつけたこと
- 寸法は管路に沿って測ります。
- 管路長と面積は、小数の桁をそろえます。
- 「占有」ではなく「占用」と書きます。
- 図面が何枚かあるときは、記号を全部の図でそろえます。
3. 埋設の深さ
法令
| 道路法施行令 11条の2 | 電技解釈 120条4 | |
| 車道 | 0.8m以上 | 1.2m以上 |
| 歩道・その他 | 0.6m以上 | 0.6m以上 |
直接埋設については、電技解釈 第120条4のこれです。
地中電線の埋設深さは、車両その他の重量物の圧力を受けるおそれがある場所においては1.2m以上、その他の場所においては0.6m以上であること
電気設備の技術基準の解釈 第120条4第1号
配管については、同じ第120条2のこれです。
地中電線路を管路式により施設する場合は、次の各号によること。
電気設備の技術基準の解釈 第120条2
一 電線を収める管は、これに加わる車両その他の重量物の圧力に耐えるものであること。
FEPは管路式です。第2項に深さの数値はありません。下限は道路法の0.8mになります。
補足。管が持つなら浅くていい、を国が数値にした例もあるみたいです。国交省の浅層埋設の基準(平成28年)で、生活道路の車道は小径管なら35cmまで浅くできるらしい。根拠は土木研究所の載荷試験とのこと。
決めるのは道路管理者
道路法 第87条に、許可に必要な条件を附することができる、とあります。数値を出すのは管理者です。
今回
舗装下面から管路上端まで800mmです。
はじめは1200mmで作っていましたが、自治体に確認したところ、標準断面で管路上端800mmでよい、という回答でした。
4. 配管
4-1. 離隔と難燃管
電技解釈 第125条で、低圧と高圧の地中電線は0.15m以上、特別高圧とは0.3m以上離すことになっています。双方が自消性のある難燃性の管に入っていれば、0mでいい。
難燃エフレックスはこの管に当たると、メーカーが明記しています。離隔を取らないぶん、掘削幅を狭くできます。
4-2. 何を通すかを表にする
申請書の「占用物件」と「占用物件の構造」にあたるのが、管の太さと本数と、そこに何が入るかです。図面に表で入れました。
| 管 | 通すもの |
| FEP125 | 6.6kV-CVT 60sq |
| FEP80 | FCPEVS1.2-15P、光ケーブル12芯 |
| FEP80 | 接地線 IV60sq/IV100sq/IV38sq |
| FEP100 | 空配管 |
空配管も占用物件です。あとで通すぶんも書いておく。
5. 埋め戻しと埋設シート
埋め戻しは300mm程度ごとに転圧する、と教わりました。転圧しないと、あとで土が下がります。
埋設シートは掘削深さの半分あたりに入れます。今回は舗装下面から管路上端まで800mmなので、シートは400mmの位置です。
高圧の地中電線路では、埋設物の内容をおおむね2mごとに表示することが電技解釈 第120条で求められています。シートはその表示を兼ねています。(日本電気技術者協会の解説)
6. 図面の描き方
この手の図面は描き慣れていません。電気の図面とは作法が違うので、以下は今回そうした、というだけの話です。
断面図は、層ごとに色とハッチを変えます。今回はこうしました。
| アスファルト | 緑のベタ塗り |
| 砕石 | 粗い粒 |
| 埋め土 | 濃い網目 |
| 砂 | 細かい点 |
| 埋設配管 FEP | マゼンタのベタ |
土木で使う図記号の出典は、見つけられませんでした。電気の図記号にあたるものが土木側にもあるはずですが、たどり着けていません。ご存じの方がいれば教えてください。
まとめ
今回やってみて、事前にわかっていなかったのは二つでした。
- 道路の下の最低線は道路法。電技の1.2mは直接埋設式の数字で、管路式には数値がない
- 難燃FEPなら離隔0mで、掘削幅を狭くできる
出典
- 道路法 第32条(道路の占用の許可)・第35条(協議)・第87条(附款)
- 道路法施行令 第11条の2(電線の占用の場所)
- 道路占用許可申請書 様式および記載要領(申請先自治体)
- 電気設備の技術基準の解釈 第120条(地中電線路の施設)・第125条(地中電線と他の地中電線等との接近又は交差)
- 難燃性波付硬質ポリエチレン管「難燃エフレックス」(古河電気工業)
- 「電線等の埋設物に関する設置基準」の緩和について(国土交通省 平成28年)
- 地中電線路の布設方式(日本電気技術者協会)
- 地中電線路の埋設深さ等に関する基準/電線の占用の場所に関する基準(国土技術政策総合研究所)
- 道路占用許可申請書の作成上の注意点(国土交通省 北陸地方整備局)

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