電線管の種類と太さをどう決めるか

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太陽光発電所の構内で、埋設配管とハンドホールの図面を描いています。

配管の種類や太さ、ハンドホールを置く場所など、図面を描きながら確かめたことを、自分のための備忘録としてまとめます。

根拠は末尾にまとめています。

目次

1. 決める順番

決めること何で決まるか根拠
管の種類施設する場所3102-1表、3115-5
管の太さ中に入れる線の太さと本数3110-5、3165-1、JIS C 3653
管の曲げケーブルの曲げ半径と管の内径3110-8、公共建築工事標準仕様書 表2.10.1
ハンドホールの位置長さ、ケーブルを引く作業と張力JIS C 3653
支持間隔管の種類3110-4図、3115-6
同じ管に入れないもの線の種類電技解釈第167条、3102-7、1370-8、3810-6
地中の深さと離隔埋める場所、線の種類2400-1、2400-2表、2400-7、2400-8、電技解釈第125条

2. 管の種類を決める

300V以下の屋内では、施設場所ごとに使える配線方法が3102-1表で決まっています。

○は使える、×は使えないという意味です。

出典:内線規程 3102-1表より抜粋

この表では、青枠の金属管とCD管以外の合成樹脂管は、載っている施設場所のすべてが○です。

赤枠のCD管は、すべてbです。

内線規程3102-1表の備考。bは、直接コンクリートに埋め込む場合を除き、専用の不燃性又は自消性のある難燃性の管又はダクトに収めた場合に限り施設できる
出典:内線規程 3102-1表の備考より抜粋

CD管は、コンクリートに直接埋め込むとき以外は、専用の不燃性の管か、自消性のある難燃性の管かダクトに収めます。

3. 太さを決める

管の太さの前に、許容電流と電圧降下で線の太さを決めておきます。

電線とケーブルについて、許容電流で太さを決め、電圧降下を確かめ、管の太さを選ぶ流れ
出典:内線規程、JIS C 3653、JCS 0168などをもとに作成

電圧降下が大きいと線を太くするので、管も太くなります。

電線を入れるとき

IVなどの絶縁電線を金属管に入れるときの太さの選び方は、入れ方ごとに次のように勧められています。

入れる電線選び方
同じ太さの電線だけ電線の太さと本数から、表で管の太さを選ぶ。表は管の種類ごとにあり、厚鋼電線管は3110-2表、薄鋼電線管は3110-3表、ねじなし電線管は3110-4表。10本を超えるときは3110-5表
同じ太さの電線だけで、曲がりが少なく、入れ替えやすい8mm²以下は3110-6表で選ぶ。それより太ければ計算で選び、電線の断面積の合計を管の内断面積の48%以下にできる
太さの違う電線をいっしょに入れる計算で選び、電線の断面積の合計を管の内断面積の32%以下にする

計算に使う電線の断面積は被覆を含めた値で、3110-7表にあります。

計算するときは、3110-8表の補正係数を確認し、必要な場合は電線の断面積にかけます。

管の内断面積の32%と48%の値は、3110-9表〜3110-11表にあります。この割合は、電線を無理なく引き入れ、引くときに傷めないための目安です。

出典:内線規程 3110-5より抜粋

合成樹脂管にも、3115節に同じ32%と48%の表があります。

交流の電線は、1回路の線を全部同じ管に入れることが勧められています。

ケーブルを入れるとき

ケーブルを防護管に1条入れるときは、管の内径をケーブルの仕上り外径の1.5倍以上にします。

出典:内線規程 3165-1より抜粋

使用電圧7,000V以下の電力ケーブルを、自分の敷地の中の地中の管に2条以上入れるときは、束ねたときの外接円の直径の1.5倍以上の内径にするのが望ましいとされています。

ケーブルは、電線管に入れずにそのままで工事ができることと、電線管に入れるにしても多様なケースが考えられるせいか、その関連資料はあまり公表されていません。占積率の数字で決める決まりは、ケーブルにはありません。

同じ管に複数のケーブルを入れると許容電流が下がる場合があるので、許容電流の記事もあわせて見てください。

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4. 管の曲げ方とハンドホール

管の曲げ

管は、内径の6倍以上で曲げます。管の曲げ半径とケーブルの曲げ半径は、それぞれ確かめます。地中のFEPでは、通すケーブルの許容曲げ半径を満たすように曲げます。

ハンドホール(地中の管路)

地中の管路では、途中にハンドホールを設けます。

ハンドホールを置くのは、ケーブルの引入れ・引抜きや分岐・接続をする場所と、ケーブルを引く力が許容値を超える場所です。

図面では、まっすぐな管路で50mを目安にハンドホールを置いています。ただし、太陽光発電所では、JPEAなどがまとめたガイドラインに、地震や地盤沈下に耐えるよう、目安として延長が30mを超えるごとにハンドホールを設けるのが望ましいとあります。どちらに合わせるかは、案件ごとに確かめます。

ハンドホールの大きさは、中でケーブルを許容曲げ半径以上で曲げられる大きさにします。

ハンドホールがないと、あとでケーブルを引き換えられません。最悪の場合、埋めた管を掘り起こすことになります。

細い管を何本か、ハンドホールで太いFEPにまとめることもできます。ただ、1本の管に入れる本数が増えるほど、許容電流は下がります。管が太いほど曲げ半径も大きくなるので、基礎の中で曲げられないことがあります。また、あとから1回路だけ入れ替えるのは、ほぼできません。

ハンドホールを横に並べて置くときの間隔に、決まりはありません。あいだを機械で転圧できないと、そこだけあとから土が沈みます。500mmほどあけるのが、現場での目安です。

ハンドホールには、コンクリート製と樹脂製があります。樹脂製は軽いので、運搬が難しい場所や、上に大きな荷重がかからない場所に向きます。

FEPを何本か並べて曲げるときの、平面図での描き方は前の記事にまとめました。

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5. 支持間隔

金属管は、3110-4図の例では支持間隔を2m以下とし、ボックスの近くは0.5m以下で支持しています。

合成樹脂管は支持間隔を1.5m以下とし、管の端、ボックスとの接続点、管どうしの接続点の近く(0.3m程度)でも支持します。

合成樹脂製可とう管(PF管など)は、1m以下にするのがよいとされています。

出典:内線規程 3115-6より抜粋

地中に埋める管には、この支持間隔の規定は適用されません。

6. 電線管を使わずにケーブルを守る・固定するとき

支持間隔と取り付け方

管に入れず、ケーブルを造営材や架台に沿わせて支持することもあります。

造営材の下面や側面に沿って取り付けるときは、支持点間の距離を2m以下にし、被覆を損傷しないように取り付けます。

接触防護措置を施した場所で垂直に取り付けるときは、支持点間の距離を6m以下にできます。

屋外のケーブル工事にも、この取り付け方が準用されます。

この2mの規定は、造営材(建物などの造営物を構成する部分)に沿って取り付ける場合のものです。

架台を名指しした支持間隔の規定は、電技解釈にも内線規程にもありません。

ケーブルを支持するときの締付けの強さは、電技解釈にも内線規程にも決められていません。

インシュロックなどの結束バンドで固定するとき

JPEAなどがまとめたガイドラインにも支持間隔の数値はありませんが、支持のしかたについて次の注意があります。

出典:地上設置型太陽光発電システムの設計・施工ガイドライン 2025年版 14.4.2より抜粋

スパイラルチューブ

スパイラルチューブは、ケーブルをまとめたり、こすれから守ったりするための物です。

巻くだけでは、電線管に収めたことにはなりません。

内線規程で合成樹脂管とされているのは、電気用品安全法の適用を受ける合成樹脂製電線管、PF管、CD管です。

重量物の圧力や著しい機械的衝撃を受けるおそれがある場所では、ケーブルを金属管、ガス鉄管、合成樹脂管などに収めて防護します。

スパイラルチューブは、この例には挙げられていません。

地上のFEP

絶縁電線は、そのままでは施設できず、管などに入れて引きます。ケーブルは、外装で守られているので、管に入れなくても施設できます。

ケーブルラックも、ケーブルを守るものではなく、載せて支え、まとめるためのものです。屋外でラックに蓋を付けるのは、日差しで外装が傷むのと、熱をもって流せる電流が下がるのを抑えるためです。

屋外で使える工事の種類は、次の表で決まっています。

施設場所使用電圧がいし引き工事合成樹脂管工事金属管工事金属可とう電線管工事バスダクト工事ケーブル工事
展開した場所300V以下○○○○○○
展開した場所300V超過○○○○○○
点検できる隠ぺい場所300V以下○○○○○○
点検できる隠ぺい場所300V超過○○○○○
点検できない隠ぺい場所-○○○○
○は使用できる工事。出典:電気設備の技術基準の解釈 166-1表より

FEPは地中用の管で、地上では電線管として数えられません。

それでも、ケーブルを守る管としてなら、地上でも使えます。古河電工は露出配管もできるとしていて、屋外暴露40年に相当する試験でも、材料の劣化はほとんど見られなかったそうです。

エフレックスには、地中埋設用のほかに、地中と露出の両方に使えるエフレックススルーもあります。

ぶつかるおそれがある所は、鋼管などで覆います。

地上の配管の固定のしかたを決めた条文はありません。ガイドラインでは、風や雪で傷まないように支持し、地上は転がすよりラックに載せるほうが望ましいとしています。FEPを杭で地面に押さえる固定杭もあります。

黒ガス管

柱の間が長く、ふつうの電線管では支えきれないときは、SGPと呼ばれる黒ガス管を柱に渡して、ケーブルを中に通せます。許容電流の関係で、外に縛る方法も見たことがあります。PVケーブルはケーブル工事なので、黒ガス管はケーブルを守る管として使えます。

ガス管には、ガス管用のラジアスを付けて、アース線を架台か接続箱まで渡します。

7. 同じ管に入れないもの、離すもの

低圧の配線を金属管や合成樹脂管などで施設するときは、原則として、電線と弱電流電線(電話線やLANなど)を同じ管やボックスに入れません。

混触すると、過大な電流が流れたり電位が上がったりして、感電や火災のおそれがあるためです。

例外は、次の抜粋の2項にあります。

出典:内線規程 3102-7より抜粋

引込開閉器の前の電線と後の電線も、同じ管に入れません。

建物の中の高圧の配線は、低圧の配線や弱電流電線から、原則として15cm以上離します。

出典:内線規程 3810-2表より抜粋

8. 地中に埋めるとき

深さ

埋め方・条件深さ
直接埋設(車両などの重さがかかる場所)1.2m以上
直接埋設(そのほかの場所)0.6m以上
管路(自分の敷地の中で、管径200mm以下の2400-1表の管を使う)0.3m以上(地表面から。舗装があるときは舗装の下面から)
道路の下道路法施行令と道路管理者の基準による
出典:内線規程 2400-2図、2400-1図より抜粋

道路の下の深さは、道路占用の記事にまとめました。

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管どうしの距離

出典:内線規程・電技解釈をもとに作図
出典:内線規程 2400-7、2400-8より抜粋

同じ種類のFEPどうしの間隔は、メーカーのカタログで5〜10cmが施工標準とされています。

電技解釈 第125条は、事故時のアーク放電で隣の電線を傷めないための決まりです。同じ電圧種別どうしの離隔は定めていません。実際の間隔は、電線どうしの離隔と、管や接続部品に必要な寸法をそれぞれ確かめて決めます。

例)FEP80を低圧どうしで並べ、FOKC-80を使うとき
管のカタログ:外径102mm+離隔70mm=芯々172mm
防水の部品(古河 FOKC-80):芯々175mm以上
→ 必要な芯々間隔は175mm以上

9. その他に気をつけること

  • 管口に付けるベルマウスは管より太いので、管を並べる間隔は製品の寸法で確かめます。

次の2つは規定ではなく、図面を描くときに自分で決めていることです。

  • 私の図面では、管を地上に立ち上げる場所にハンドホールを置いています。
  • ハンドホールは、あとで重機が入れる場所に置いています。

ハンドホールの上下2段の使い方は、道路占用の記事の追記にまとめました。

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まとめ

決めること数字根拠
違う太さの電線を入れる断面積の合計が管の内断面積の32%以下3110-5
ケーブルを防護管に1条入れる管の内径が仕上り外径の1.5倍以上3165-1
敷地の中の地中の管に、電力ケーブルを2条以上入れる管の内径が外接円の直径の1.5倍以上が望ましいJIS C 3653
管を曲げる内側の半径が管の内径の6倍以上(高圧の単心ケーブルは別に確かめる)3110-8、公共建築工事標準仕様書 表2.10.1
地中のハンドホールまっすぐな管路で50mを目安図面での目安
太陽光発電所の地中のハンドホール目安として延長30mを超えるごとに設けるのが望ましいJPEAほか「地上設置型太陽光発電システムの設計・施工ガイドライン」14.4.2
合成樹脂管の支持間隔1.5m以下3115-6
ケーブルを造営材の下面・側面に沿って取り付ける支持点間の距離2m以下(接触防護措置を施した場所で垂直なら6m以下)電技解釈第164条
高圧と低圧の配線15cm以上3810-2表
直接埋設の深さ1.2m以上(車両などの重さがかかる場所)、0.6m以上(そのほか)2400-2表
敷地の中の管路の深さ0.3m以上(地表面から。舗装があるときは舗装の下面から。管径200mm以下の2400-1表の管)2400-1
地中の低圧と高圧15cm以上2400-8、電技解釈第125条
地中の電線と弱電流電線30cm以上(特別高圧は60cm以上)2400-7、電技解釈第125条
地中のFEPどうし5〜10cm(参照したメーカーの施工標準)メーカーのカタログ

出典

  • 内線規程 JEAC8001-2005:1370-8、3101-1、3102-1表、3102-7、3110-2、3110-4図、3110-5、3110-8、3115-5、3115-6、3165-1、3165-2、3810-6、3810-2表、2400-1、2400-1表、2400-1図、2400-2表、2400-2図、2400-7、2400-8
  • 電気設備の技術基準の解釈:第125条、第164条、第166条、第167条
  • 電気設備の技術基準の解釈の解説(経済産業省):第125条
  • 電線ケーブル用 樹脂製管路材 2026-2027(古河電気工業)41ページ:エフレックスの布設間隔
  • JIS C 3653:2004 電力用ケーブルの地中埋設の施工方法:4.2 管路、4.3 地中箱
  • 電気設備の技術基準の解説(経済産業省):第62条
  • 地上設置型太陽光発電システムの設計・施工ガイドライン 2025年版(NEDO、執筆:太陽光発電協会(JPEA)ほか):14.4.2 配管、配線、接続
  • 電線ケーブル用可とう管路材 よくあるQ&A(古河電気工業):耐候性はどの程度ですか?/エフレックスは露出配管できますか?
  • 古河電気工業 ニュースリリース 2022年8月2日:ケーブル保護管エフレックス®に埋設・露出の両用タイプ登場
  • 公共建築工事標準仕様書(電気設備工事編)令和7年版(国土交通省):2.2.3、表2.10.1
  • 波付硬質合成樹脂管(FEP)のカタログ(未来工業):曲げ半径
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この記事を書いた人

作編曲家/電気主任技術者

YNU ☉⁠➛ 太陽光 †⁠➛ 学校 ⏚⁠➛ 半導体 ∴⁠➛ 独立

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