接続箱の二次側のこう長が伸びたため、コストダウン案として、銅より安いアルミに変えられるかを検討しました。
PVケーブルの種類
太陽光の直流の電線には、低圧用のものと、高圧でも使えるものがあります。
| ケーブル | 例 | 直流1500V | 遮へい層の接地 |
|---|---|---|---|
| 低圧用PVケーブル | H-CV | 使えない | いらない |
| 高圧でも使えるPVケーブル | PV-CQ、PV-CQD、PV-CQQ | 使える | いらない |
| 高圧ケーブル | CV、AL-CV | 使える | いる |
PVケーブルか、高圧ケーブルか
幹線は直流1500Vで、750Vを超えるので高圧です。使えるのは、PV-CQ系か、高圧ケーブルです。
遮へい層
高圧ケーブルには、静電誘導から人を守るための金属の遮へい層があります。
PV-CQは第46条を満たすことで、遮へい層なしで使えます。
PVケーブルはアルミにできない
PVケーブルのまま、アルミにしたいところです。でも、高圧でPVケーブルを使うときの決まりでは、導体は軟銅線か、それと同じくらい強いものに限られています。
導体は、断面積60mm²以下の別表第1に規定する軟銅線又はこれと同等以上の強さのものであること。
出典:電気設備の技術基準の解釈 第46条第1項第三号
別表第2の硬アルミ線は、引っぱる強さが直径1.2〜6.6mmで155〜186N/mm²以上です。別表第1の軟銅線は196N/mm²以上なので、届きません。どちらも単位面積あたりの値です。
高圧ケーブルならアルミにできる
高圧ケーブルの決まりは、導体にアルミ線を認めています。候補は、3300Vのアルミ高圧ケーブル(AL-CV)です。
高圧ケーブルなので、遮へい層の接地のしかたと端末の処理を確かめます。直流で使えるかと定格も、製品の資料で確かめます。
太さと重さ
アルミは、同じ太さだと流せる電流が銅の約0.8倍です。下の表の条件では、銅の38sqとアルミの60sqで、流せる電流も導体の抵抗も近い値になります。
アルミは軽いのも利点です。太さを1サイズ上げても、銅より約3割軽いとメーカーの資料にあります。
| ケーブル | 許容電流 | 導体抵抗 |
|---|---|---|
| 銅 38sq | 155A | 0.481Ω/km |
| アルミ 38sq | 120A | 0.789Ω/km |
| アルミ 60sq | 160A | 0.500Ω/km |
許容電流は3本をより合わせたCVTの1回線、周りの温度40℃の値です。導体抵抗は単心CVの20℃の値で、種類が違います。どちらも、実際の直流幹線の布設条件での値ではありません。
外径は、同じ太さならアルミと銅でほぼ同じです。太さを上げると、管の太さも変わることがあります。管のサイズのほか、曲げ半径と端末の接続もくらべます。
電圧降下
20℃の簡易式では、係数は銅が35.6、アルミが約56.5です。同じ太さなら、アルミの電圧降下は銅の約1.6倍になります。
銅もアルミも、1℃上がるごとに抵抗が約0.4%増えます。基底温度20℃から上限温度90℃までは70℃あります。
そのため、抵抗が増えるのは最大で約3割で、ほとんどはそれ以下に収まります。
まとめ
PVケーブルのままでは導体の強さの決まりに合わないので、アルミにするなら高圧ケーブルから、許容電流と電圧降下で太さを選びます。
出典
- 電技省令 第2条
- 電技解釈 第10条、第46条、第168条、別表第1・第2
- 電技解釈の解説 第10条、第46条
- オーナンバ H-CV、タツタ電線 PVケーブル
- KIBOR 3300V AL-CV/CVT、CV/CVT
- 岩崎電気「導体サイズの選定」
- JIS C 3108、JECTEC NEWS No.74
