はじめに
久々に電気工事の積算をしている。積算と聞くだけで気が狂いそうになる人も、世の中には一定数いると思う。
自分もその一人である。新入社員のときは、やり方がまったくわからず発狂しかけた。
ゼネコンやサブコンでガチで積算している人には到底かなわないけど、やり方をひとつ知っておくだけで、実際にやるときには少し気が楽になると思う。
これが正解というわけではありません。自分が経験したことや、人に教えてもらったことをまとめただけです。電験やエネ管を取ったあとに、こういう仕事が増えたという声も聞くので。
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積算とは
工事に必要な費用や資材の量を、事前に見積もる作業のこと。図面や仕様書をもとに、材料費、労務費、重機、諸経費などを積み上げて、総工事費を出す。
たぶん、大きく三つくらいに分かれると思います。
① 概算積算(初期の提案・事業化の検討)
いわゆる、ざっくり概算のやつ。エイヤーで出しました、というのはだいたいこれ。
「1kWあたり〇円」「m²あたり〇円」みたいな単位ベース。事業のライフサイクルコストをざっくり把握するときなんかに使います。
② 実行予算積算(施工者側)
これが必要になる人が、いちばん多いのでは。ピラミッドの頂点より、その下のほうが人数が多いので。あとで詳しく書きます。
③ 設計積算(発注者・設計事務所・官公庁)
官公庁で働いたことはないので、正直よくわからん。「公共建築工事積算基準」などをもとに、積算や査定をすることが多いと思う。
自分が発注者側で積算していたときは、予算を申請するときは①の概算、査定するときは積算基準や「積算資料」「建設物価」で単価を見ていました。
ひとことだけ先に言っておくと、いちばんいいのは、自分の会社の過去の実績から判断すること。あるいは、複数社から見積もりを取って比べること。それでも積算しなきゃいけないときの考え方のひとつ、ということで。
実行予算積算(請負側)
たぶん正式名称じゃないけど、この呼び方をしている人はけっこう多い印象がある。
お客さんの予算で本当におさまるのか。どれくらい利益が出るのか。どの項目をどこまでにおさめなきゃいけないのか。それを考えるときに使います。
自分は、最初の会社で教えてもらったやり方でやっています。まず直接費を出す。労務費と、材料費と、その他。それが決まってから、間接費と一般管理費を乗せる。順番はそれだけです。
労務費
労務単価 × 工数 = 労務費、でござる。
労務単価は、国土交通省の「公共工事設計労務単価」を見ます。職種ごと、地域ごとに出ています。
工数は、歩掛(ぶがかり)で見ます。単位作業あたりに必要な手間の目安で、積算基準などに載っています。
たとえば、VVFケーブルの露出配線の歩掛が0.0045人工/mだったとして、1,000m張るなら4.5人工。電工の単価が25,000円なら、112,500円。
人工(にんく)は、人×日のこと。
ただ、歩掛どおりに現場が進むことは、まずない。ここに、その現場の癖をどれだけ足せるかだと思っています。
材料費
機器費は、メインの機器。太陽光ならパネル、架台、蓄電池など。価格がオープンなことが多いので、あまり迷わない。
困るのは、それ以外の細かい材料。自分は「積算資料」で見るか、通販サイトの値段から少し引いて見るか、仕入れ値と売値のあいだをとるか。そのときどきです。
その他
重機、搬入、試験費、試験書類の作成費など。
正直、ここはめちゃくちゃ経験がないと想定できない。自分も胸を張って詳しいとは言えないので、土木の人に相談しています。それでもわからなければ、掛け率で、多めに一式で入れる。困ったとき頼みのやり方です。
よくわからない謎の項目
ここまでで、思いつく項目は全部積み上げたとする。それでも、謎のコストは入ってくる。大規模になるほど入ってくる。そのために、実行予備費みたいな項目で、予備を確保しておきましょう。
メーカー系の工事や試験には注意
これも大事です。
重電さんや精密機器メーカーさんの工事は、過去の実績から想定しないと、ほぼ無理です。
めちゃくちゃ高い(給料も高いからだと思います。もちろん技術も確かなんですが)。労務単価で80,000円/人工、100,000円/人工とかはざら。市場価格でせいぜい15万くらいの圧力計が、100万近くで見積もられることもあります。
絶対に値下げしません。これは絶対です。
間接費
現場の施工には直接関わらないけど、工事を進めるのに必要な費用のこと。仮設、現場の管理、そういうもの。
直接費が決まったあとに、鉛筆をなめながら調整します。土木工事と電気工事を直接費としてまとめて、それに掛け率をかけているところが、比較的多い印象です。
自分の感覚の数字
あくまで自分がいた現場での感覚です。案件によって全然違うので、根拠としては使わないでください。
・副資材:資材費の5〜10%くらい
・重機:電気工事全体の数%。高所作業や掘削があれば、もう少し
・運搬・搬入:資材費か機器費の5〜8%くらい
・間接費:多くても20%くらいにおさまることが多かった
さいごに
半導体メーカーで発注者として、太陽光のEPCで施工側として働いていたときは、こんな感じでやっていました。
体系的に教わったわけでもないので、ほかにもやり方はたくさんあると思います。
参考になる資料
建設物価調査会
「建設物価」を出しているところ。材料や重機の単価を見るときに。
経済調査会
「積算資料」を出しているところ。電気や設備の材料費、歩掛など。
公共建築工事積算基準(国土交通省)
官公庁の工事の積算基準。
公共工事設計労務単価(国土交通省)
毎年更新される、職種別の労務単価。

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