これも記憶で書く。だから細部は、記憶のかたちをしている。
1
自分の机は管財にあった。昼間は、ほとんど別の部屋にいた。
人事課の机の前で、同期はまだ答えを待っている。
2
二十一、と答えた。同期は、四十三で出してみた、と言った。
通るの。反応を見てみる、と同期は言った。
3
同期は引き出しから自分の印を出して、三つ目の欄に押した。僕の紙は、厚い綴りのいちばん上になる。
4
同期は、下のほうの紙を何枚かめくった。三つ目の欄には、どの紙にも同じ名前の印が押してある。
前にいた人、と同期は言った。走る人だったらしい。
5
綴りは棚に戻された。窓の外で、髪の長い男の笑い声がした。
