2×1×0×_成城にてうちあわせ_25

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これも記憶で書く。だから細部は、記憶のかたちをしている。

1

年表の係に、もう一つ頼まれた。箱の見つからなかった年に、新聞が何を書いていたかを見てきてほしい、ということだった。

図書館には、古い新聞を画面で読める席がある。

2

カウンターにはナギスケがいて、隣にトモヨが座っていた。髪は、小学生の女の子がするような結び方をしている。どこを見て話せばいいのか、少し迷った。

あら、とトモヨは言った。声はがさがさしている。

最近見ないね、と言うと、トモヨは自分のお腹を豪快にたたいた。いい音がした。

ナギスケが、しー、と言った。

3

ナギスケは黒い眼鏡を少し押し上げて、職員証を受け取った。裏には、三月までと小さく印字されている。

画面に僕の番号を打って、しばらく待った。出ないですね、と言った。

4

ナギスケは引き出しから、ラミネートされた紙を出した。IDが一つ印刷してある。

これ、カウンターのやつなんで。

席が開いた。その年の新聞は、画面には入っていない。

5

ナギスケについて、階段を降りた。月ごとに綴じた厚い本が、棚に並んでいる。紙は薄く、めくると乾いた音がする。

頼まれた月を、終わりまでめくった。

上のほうから、トモヨの笑う声が聞こえた。

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この記事を書いた人

作編曲家/電気主任技術者

YNU ☉⁠➛ 太陽光 †⁠➛ 学校 ⏚⁠➛ 半導体 ∴⁠➛ 独立

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